トップコミットメントENGLISH
ESGというフィルターを通じて社会の目を取り込み、業務全般に照射させる機能を高めていきます

注目を集めるESG

最近、ESG(環境・社会・ガバナンス)に注目が集まっています。ESGは国連がサポートする責任投資原則(PRI)が機関投資家に求めている長期投資の視点です。企業と機関投資家の健全な対話の拡大を標榜する政府の資本市場・企業統治改革の進展や、非財務情報開示の拡充を求める国際的な潮流が、ESGに対する関心の高まりの背景にあると考えられます。
企業が長期的な成長を目指すのはいうまでもありませんが、コーポレート・ガバナンスや人材の多様化、環境リスクなどのESG課題への対応は、それを支える経営基盤の強靭化に直結します。短期主義(ショートターミズム)の是正が叫ばれている今、ESGが投資する側とされる側から共に注目を集めるのは必然的な流れだと思われます。

マテリアリティ・マネジメントの推進

当グループは、昨年度、自らの企業価値と社会に与える影響度という二つの視点から重要課題(マテリアリティ)を特定しました。特定したマテリアリティは当グループにとってのESG課題にほかならず、これらに真摯に取り組んでいくことが当グループの長期的な成長につながると私たちは考えています。
また、このような観点から、今年度もESG調査機関からフィードバックされた評価結果やPRIの活動をはじめとしたESGの最新動向を分析の上、CSR部署が「擬似ESG投資家」となってマテリアリティの高い業務の担当部署と対話する「インターナル・エンゲージメント」を行いました。対話テーマの一つである気候変動問題については、2015年12月に合意されたパリ協定後の動向を踏まえて業務上のリスクを洗い出し、当面の対応方針をまとめるとともに、取締役会の議題としても取り上げ、経営レベルで認識の共有を図りました。

2016年度の強化ポイント

2016年度、体制見直しも含め対応を強化したマテリアリティに関わるテーマは、「フィデューシャリー・デューティー」と「ダイバーシティ&インクルージョン」です。
フィデューシャリー・デューティーは顧客本位の業務運営を意味し、近時、金融機関に対し一層の徹底を求める声が強まっています。当グループは、顧客本位の徹底を役員・社員が遵守すべき行動規範と位置付けていますが、2016年度はさらに取り組みを進め、「三井住友トラスト・グループのフィデューシャリー・デューティーに関する取り組み方針」の制定、フィデューシャリー・デューティー推進部の設置などグループの業務全般にわたり実践・徹底する態勢を強化しました。フィデューシャリー・デューティーは信託の根幹をなす基本概念であり、お客さまの真の利益に適う商品・サービスの提供をはじめ、お客さまの満足度の向上に資する取り組みをグループ一体となって進めていく方針です。
他方、ダイバーシティ&インクルージョンも近年注目を集めている考え方で、個々人の多様性を認め合い、その能力を組織の付加価値創造に生かしていく経営戦略です。当グループは経営理念(ミッション)や行動規範(バリュー)にその趣旨を明記し、これまでも女性の活躍や人権啓発の推進、グローバル化への取り組み、育児・介護等の両立支援や多様な働き方を前提とした風土の醸成、社員一人一人がいきいきと活躍する職場環境の構築を組織的に推進してきましたが、2016年度は、さらにその取り組みを強化すべく、ダイバーシティ&インクルージョン推進室を設置するなど体制整備を進めました。

長期的な成長に向けて

CSR元年と呼ばれた2003年から15年近くが経過しました。日本企業においてもCSRを本業と結び付けて推進することがコンセンサスになってきていますが、CSRを自家薬籠中のものとして中核的な業務に取り込むことは容易ではありません。しかし、これからの企業は、社会の持続的な発展との折り合いをつけていかなければ長期的な成長が望めません。私たちもこのことを肝に銘じ、CSRの戦略的な役割として、ESGというフィルターを通じて社会の目を取り込み業務全般に照射させる機能を高めていきたいと考えています。長期的な成長に資するCSRの取り組みを今後も続けてまいりますので、皆さまの温かいご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

2017年4月

  • 取締役執行役社長 大久保 哲夫

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