ダイバーシティ&インクルージョンの推進

多彩な機能、多様な事業ポートフォリオを強みとする当グループは、個々人の多様性と創造性が組織の付加価値として存分に生かされることを人事基本方針として掲げています。社会のダイバーシティ推進という概念の認知・浸透が進むなか、多様性を重んじる企業文化とダイバーシティ推進を相互に関連させてダイバーシティ&インクルージョン推進の取り組みを加速するため、2016年10月に三井住友信託銀行の人事部内にダイバーシティ&インクルージョン推進室(略称:D&I推進室)を設置しました。D&I推進室は、人事部の専任担当者と各事業統括部のメンバーで構成されており、社員個人の働き方の多様化を進めるとともに、企業価値の向上につながる各事業の実情に合った施策を推進しています。

また、ダイバーシティの推進はビジネス界の一大潮流となっており、ESGを重視する長期投資家の関心が高まっていることも踏まえ、2017年10月には三井住友トラスト・ホールディングスの人事部内にもD&I推進室を設置し、グループ全体でダイバーシティ&インクルージョン推進に取り組んでいます。

1.三井住友信託銀行のダイバーシティ&インクルージョン推進体制

三井住友信託銀行は、ダイバーシティ&インクルージョンの重点推進項目として、女性、障がい者、グローバル人材の活躍推進、両立支援制度の充実、人権・LGBTQへの理解促進を掲げ、取り組みを行っています。

三井住友信託銀行D&I推進組織図

2.女性活躍推進の取り組み

当グループは、「個々人の持てる力を最大限に生かすために、能力に応じた適材適所の配置を進めていく企業」として、性別にかかわらず能力本位で管理職に登用しています。

三井住友信託銀行では、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(行動計画)として、2020年3月までに課長級以上の女性管理職を300名とする目標を掲げて活動を推進してきました。2019年10月に357名と前倒しで目標を達成し、2020年4月からは、意思決定ラインにおける女性を増やすことを目的に、2023年3月末までに課長以上のラインのポストに就く女性の比率を12%以上、マネジメント業務を担う女性の比率を30%以上とする新たな行動計画を策定しました。

各事業における計画的な育成を図るための「パイプラインモデル」の策定や女性リーダー層を対象とするゼミ、自律的なキャリア形成を目的にした研修等、「人材育成No.1」と「人材活躍No.1」を目指し、女性のマネジメント登用を見据えたさまざまな研修を行っています。また、活躍領域を広げ、多様な業務にチャレンジできる配置を幅広く行っており、研修のみならず、異動・配置・業務アサインを通じて成長の機会を提供しています。

女性の管理職登用を意識した人材育成

女性の着実なキャリア形成を支援

三井住友信託銀行では、女性社員のキャリア形成にとってターニングポイントとなるタイミングにあわせ、主体的なキャリア形成を考える機会提供とネットワーク構築を目的とした研修をきめ細やかに実施しています。2019年度は、転居を伴う勤務地変更のないAコース社員のキャリア形成支援を拡充させるべく、研修内容について大幅な見直しを行いました。入社6年目の社員を対象に、外部講師や先輩社員の講話を参考に、自らの中長期的なキャリアを自律的に考えるキャリアデザイン研修を実施、ライフイベントによる影響を受けやすい女性社員の悩みに寄り添い、人生設計の一環としてキャリアをデザインする機会を早期に提供する取り組みを行っています。また、課長登用の一歩手前のAコース社員に対して、女性取締役を講師にリーダーシップ研修を実施。管理職になることへの不安やプレッシャーを払拭し、自分らしい管理職像を描き能力を発揮することで、さらなる上位職を目指せるよう、成長をサポートしています。

三井住友信託銀行の女性役員・管理職の状況

2018年3月末 2019年3月末 2020年3月末
①役員 2人
(2.8%)
2人
(2.9%)
4人
(5.7%)
②部長級のポストに就く女性 6人
(2.4%)
9人
(3.7%)
12人
(4.8%)
③課長級のポストに就く女性 130人
(11.3%)
134人
(11.8%)
135人
(11.7%)
④課長以上のラインのポストに就く女性(②+③) 136人
(9.7%)
143人
(10.3%)
147人
(10.5%)
⑤マネジメント業務を担う女性 1,369人
(22.6%)
1,423人
(23.9%)
1,570人
(25.8%)

カッコ内は女性比率です。①は執行役員含む ⑤は④含む係長級以上の女性管理職

社外ネットワークの活用と役員との対話

異業種交流による視野の拡大や自分のキャリアを客観的に見つめ直す機会として、他社との共同イベントへの派遣を行っています。また、会社主催のイベントや研修だけではなく、営業店部においても、取引先企業等の女性社員との交流を図りながら、自らのキャリアを考える機会とする活動を行うなど、ボトムアップで女性活躍推進に取り組んでいます。

さらに、女性社員の育成には役員も積極的に関わり、役員と直接対話し経営の視点や女性社員への期待事項を伝える役員ゼミを実施しています。役員ゼミの中には、育児中の女性社員も参加しやすいランチタイムに行うなどの工夫をしているものもあり、女性社員の成長に資するようさまざまな機会を提供しています。

役員・マネジメント層への研修

女性が活躍する環境を整える上で鍵になる、マネジメント層の意識改革を推進するため、三井住友信託銀行では管理職向け研修にアンコンシャス・バイアスや女性の健康課題に関するテーマを取り入れています。また、経営企画部、人事部、業務管理部の統括役員が参加するダイバーシティ&インクルージョン推進委員会では、若手社員やグループ会社の女性マネージャー、他社でダイバーシティ推進経験のある社外有識者などから、女性活躍についてそれぞれの立場から提言を行う場を設けるなど、役員のダイバーシティ&インクルージョンへの理解を深める取り組みも行っています。

3.両立支援への取り組み

ライフイベントに左右されないキャリア形成の支援

勤務地変更と海外転勤帯同休職制度

三井住友信託銀行では、転居を伴う勤務地変更のないAコース社員が配偶者の転勤などの際に勤務地を変更できる制度を2016年度に導入しました。さらに、2017年7月から、配偶者(社内、社外問わず)の海外転勤に帯同する社員について、休職を認めることとしました。この制度は性別を問わず、申請可能です。家庭環境に大きな負荷がかかる配偶者の海外転勤の際に、「仕事」か「家庭」か、の2択以外の選択肢を会社として提供し、自律的なキャリア形成を支援したいという思いからこの制度が生まれました。国内の勤務地変更、海外転勤帯同休職制度、いずれも活用され、ライフイベントに左右されないキャリア継続の取り組みが進んでいます。

利用者実績

2020年3月末現在の国内の勤務地変更

150

2020年3月末現在の海外転勤帯同休職制度

18

ワークとライフの調和

働き方改革宣言の中のテーマの一つ、「多様な働き方とワークライフバランスの実現」の取り組みとして、三井住友信託銀行では、男性社員の育児休業取得率100%を目標としています。男性社員が家庭機能の一部を担うことを当然と考える風土の醸成や、会社以外の場所での新たな気付き、社会の変化を感じるきっかけづくりとして全社的に推進しており、2017年度に続き2019年度も100%を達成しました。目標達成後も取得日数の長期化に取り組むなど、引き続き、風土として定着を図るため推進活動を継続しています。

また、今後増加が見込まれる介護と仕事の両立について、2020年4月からの行動計画として、「年1回、介護制度における制度や風土に関する意識調査を行い、評価得点を肯定的と評価できる60点以上とする」という目標を掲げました。社員の介護に関する理解を深めるため、従業員組合と共催で、全国の社員が参加しやすいオンラインでの介護ウェブセミナーを実施したり、マネジメント向けに、介護をする部下との円滑なコミュニケーション等を学ぶセミナーを開催しました。

4.グローバル社員の活躍推進

三井住友信託銀行では、海外支店または海外現地法人に勤務するナショナル・スタッフを対象に、研修を毎年開催しています。研修は、三井住友トラスト・グループおよび業務理解の深化、参加者同士およびビジネスラインとのネットワーク強化等を目的に、経営戦略講義とディスカッション、日本のビジネス文化や歴史、各事業概要などに関する講義を行っています。

また、日本に配属された海外採用新入社員との円滑なコミュニケーション促進を図るため、新入社員が配属された部署の上司などを対象とした、異文化コミュニケーション研修を実施しました。日本と他国の文化・習慣の違いを比較し、多様な文化(価値観・習慣など)があることを知り、仕事上で起こりやすい異文化間の誤解やトラブルを回避するためのコミュニケーションスタイルを浸透させる取り組みを行っています。

5.障がい者の活躍推進

三井住友トラスト・グループでは、障がいのある人も、職場の一員としてやりがいを持って輝きながら働けることを目指しています。日興アセットマネジメントでは、2013年以降、「アスリート社員」プログラムを展開し、車いすのアスリートの採用に注力しています。このプログラムを通じて入社した社員には、障がい者ワーキング・グループを立ち上げ、同グループの使命である「全ての社員にとって働きやすい環境づくり」に携わっている者もいます。

また、三井住友信託銀行では、お客さまと接する営業店や本部の事務業務など、障がいのある人が仲間として働く場所が増えています。働き出した後の悩みや要望などに応えるため、入社後の本人との面談にも力を入れています。面談から得た気付きを、ハード・ソフト両面から、より働きやすい職場環境の整備などにつなげています。2020年9月30日時点の障がい者雇用率は2.28%となっています。

障がい者雇用率

2020年9月末時点

2.28%

障がい者在籍店部

2020年9月末時点

110店部

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