サステナビリティを経営と一体化し、事業そのものとして展開します。

新型コロナウイルスの猛威は今なおとどまるところを知らず、社会・経済活動の長期停滞が懸念されています。罹患された方やそのご家族、感染症拡大により、生活や事業活動に深刻な影響を受けておられる皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

また、2020年9月に明らかになりました議決権行使集計業務の先付処理問題につきましては、三井住友信託銀行、東京証券代行、日本証券代行に証券代行業務を委託いただいている委託会社の皆さまをはじめ、株主の皆さま、資本市場参加者の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけ致しましたこと、改めて深くお詫び申し上げます。

さて、当社は『信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる』をパーパス(存在意義)と定義し、「社会的価値創出と経済的価値創出の両立」を経営の根幹に据えた中期経営計画をスタートさせました。当グループの幅広い事業領域において、多様な社会課題解決への取り組みを着実に進めることで、社会のサステナブルな発展と、当グループの持続的・安定的な成長を目指してまいります。

マクロ環境に目を向けますと、リーマンショックの反省を踏まえ、将来に向けて感染症拡大以前よりも良い経済を実現しようという“Build Back Better(より良い復興)”という考え方が謳われ、欧州では気候変動対応などのグリーンディールを加速させ、それを経済復興の柱とすることに巨額の予算が投入されます。遅れをとっていた日本でも、政府の方針転換により環境イノベーション金融政策が強力に推進されることが予想されます。パリ協定やSDGsとの整合性を求める責任銀行原則(PRB)署名機関の当社としても、再生可能エネルギー、水素、次世代型蓄電池、カーボンリサイクル等のイノベーションやトランジションを促進し、脱炭素社会の実現に向け、期待される役割をしっかりと担ってまいります。

また、感染症拡大で気候変動問題と同時にクローズアップされたのが、人的資本の重要性です。中期経営計画の遂行を担い、当グループの持続的成長を支える人材が、安全に、ニューノーマルの環境での新たな働き方にチャレンジし、パフォーマンス向上に貢献できる職場をつくっていくことが経営者の使命だと感じています。当社は、2020年3月、経産省が女性活躍推進の優れた取り組みを実践している企業を評価する「なでしこ銘柄」に初めて選定されました。引き続き、責任あるポストへの登用など女性のキャリア形成支援にも、しっかりと取り組んでまいります。さらに、ダイバーシティはジェンダーだけの問題ではありません。専門的なスキルを持つシニア層が活躍できる場の拡大や、介護と仕事の両立支援など、超高齢社会を念頭に置いた働きやすい職場づくりや意識改革への取り組みを一層強化していく所存です。

本年のサステナビリティレポートは、2020年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)に公表、9月に正式発表されたステークホルダー資本主義の共通測定基準を採用し、「ガバナンス」「地球(環境)」「人(社会)」「豊かさ(経済)」の四つの観点で整理をしています。また、本レポートは、PRB署名機関に求められる「責任銀行原則に関する報告と自己評価」の第1回の公表を兼ねています。

このような厳しい環境だからこそ、サステナビリティを経営と一体化し、事業そのものとして展開することで、当社自身がポジティブインパクト創造企業となるべく取り組んでまいります。引き続き温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2021年6月

取締役執行役社長 高倉 透

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