お客さまに対する価値提供について

変化の激しい時代の中で、個人・法人を問わず、お客さまの資産の形成・運用や見直し、承継のニーズはますます複雑化しており、信頼できる金融機関を求めるニーズは一層高まっています。当グループは、個人・法人のお客さまのニーズを的確に把握し、幅広く専門性の高い商品・サービスを最適な解決手段としてご提案するトータルソリューションのご提供を通じ、お客さまに最大の価値をご提供する「ベストパートナー」でありたいと考えています。このため、本邦唯一の自主独立の専業信託銀行グループとして、信託・銀行機能の融合による総合力やグループ内の多彩な信託機能を効果的に活用すべく、お客さま本位の徹底に努めるとともに、高度な利益相反管理態勢を構築しています。

2020年4月には、「お客さま本位」と「お客さま満足」を差別化の源泉としてさらに進化させるべく、「お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー:FD)」と「お客さま満足の向上(カスタマーサティスファクション:CS)」の組織を一体化し、業務品質の管理能力向上に向けた取り組みを強化していきます。

当グループは、常にお客さまや社会から信頼され、ともに成長し続けることを目指していくため、2019年6月に「消費者志向自主宣言」を策定・公表し、さらに具体的な取り組みを進めています。2019年度における取り組みの成果や改善内容などについて、2020年9月に「2019年度消費者志向自主宣言に基づく取組結果」を公表しました。

消費者志向自主宣言とは

消費者庁等が事業者に呼びかける、消費者志向経営(消費者全体の視点に立ち、健全な市場の担い手として、消費者の信頼を獲得するとともに、持続可能で望ましい社会の構築に向けて、社会的責任を自覚して事業活動を行うこと)への取り組みに関する宣言。

お客さま満足(CS)の向上について

(1)お客さまの声をお客さま満足の向上につなげる仕組み

三井住友信託銀行では、①全国の営業店部やテレホンセンター、ウェブサイトに寄せられる「お客さまの声」のほか、各種アンケートにより、多くのご意見・ご要望を頂戴しています。②年間数十万件を超えるお客さまの声などをご満足につなげていくために、お客さまの声を分析するシステム「CSお客さまの声ポータル」を活用しています。さまざまなお客さまの声を“見える化”し、“気付き”を得やすくすることで、お客さまの真のニーズにお応えしていけるよう、努めています。さらに、③お客さまからいただいたご意見・ご要望は、営業店部および本部が連携して原因の調査・分析と問題点の把握を行います。また、その結果を基に改善策を検討し、より良い商品・サービスのご提供に努めています。

三井住友信託銀行のCS(お客さま満足)推進サイクル

(2)トータルソリューションを支える商品開発力

当グループでは、専業信託銀行グループならではの多彩な金融機能と信託機能の柔軟性、専門性を発揮し、トータルソリューションのご提供に欠かせないユニークで洗練された商品・サービスを幅広くそろえるため、各事業やグループ会社がそれぞれの強みやノウハウを生かすことにとどまらず、それらの専門性を結合した横断的取り組みの推進に注力しており、各事業・グループ会社の領域にカテゴライズされにくいテーマ等に対して、中期的・継続的に研究活動を行う商品開発体制を構築しています。

具体的には、三井住友信託銀行では、商品開発組織として、各事業の商品開発部署、信託開発部、商品開発オフサイト・ミーティングを設置しています。各事業の商品開発部署は、業務の中で収集したお客さまのニーズを分析し、既存商品の見直しや新商品の設計など、主に即効性のある商品の改良、開発を行っています。また、主として信託商品開発の専担組織として設置している信託開発部は、商品開発の推進エンジンの役割を担い、各事業に対する開発支援を行うとともに、事業横断的な中長期の開発案件の企画・開発・推進を行っています。さらに、商品開発オフサイト・ミーティングは、役員級および部長級の協議体として設置しており、現場レベルにとどまらず、より中長期的な視点から経営戦略に沿った商品開発に関する意見交換を定期的に行っています。

また、当グループでは、商品開発力を支える柔軟な思考力を持つ人材の育成に力を入れています。三井住友信託銀行では、新入社員研修において商品開発を体験するカリキュラムを組み入れているほか、経験の浅い商品開発担当者向けの商品開発人材育成セミナーを半期ごとに開催し、商品開発のブレークスルーポイントの理解・解決方法の会得を目的として、あらかじめ設定したお客さまの想定ニーズを題材に、そのニーズを実現する新商品についてグループ形式で徹底的に議論しています。

(3)トータルソリューションを支えるテクノロジー

急速に進展するデジタル化の流れの中で、デジタル変革への取り組みを最も重要な経営戦略の一つと位置付けています。

三井住友信託銀行は、人生100年時代の到来によって変化するお客さまのニーズを理解し、よりお客さま本位で的確なご提案を行うために、AIを活用した自動予測分析を導入しました。また、信託型次世代店舗においては、新端末の導入など、積極的にデジタル技術を活用しつつも、複数世代にわたるお客さまがゆったりと安心してご相談いただける空間を確保するなど、店舗をお手続きの場所からご相談の空間に変革していきます。

コンサルティングとデジタル技術の最適な融合によるトータルソリューションのご提供を通じて、お客さまの期待を超える顧客体験のご提供に向けたチャレンジを継続していきます。

フィデューシャリー・デューティー(FD)に関する取り組み

(1)フィデューシャリー・デューティーの実践

当グループが目指す「お客さまの『ベストパートナー』」の基礎は、お客さま本位の精神です。元来、信託の受託者精神をDNAに持つ当グループは「お客さま本位の徹底」に努めてきましたが、2016年9月、「三井住友トラスト・グループのフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」(以下、取組方針)を制定・公表して以来、取組方針を必要に応じ改定するとともに、さらなる取り組みの強化を行っています。

当グループのFD推進・監督体制図

フィデューシャリー・デューティーの実践には、お客さまから信頼される「高度な専門性」、お客さま一人一人のニーズに沿った最適な選択肢をご提示する「コンサルティングの実践」、そして「利益相反管理の徹底」が重要であると考えています。当グループでは、経営レベルから実務レベルまでの充実した組織体制を整備し、不断に取り組みの高度化を図ります。

これらの取り組みの成果についてお客さまに分かりやすくお伝えするために、「お客さまの『ベストパートナー』を目指すための取組状況と成果指標(KPI)」を公表し、年度ごとに更新しています。これらの成果指標は、投資信託の販売に関する金融機関に共通の指標である「共通KPI」を含んでいます。

(2)利益相反管理について

当グループは、グループ各社およびその関係者による多様なサービスのご提供に伴い、お客さまの利益を不当に害することのないよう、取締役会の承認を経て「利益相反管理方針(概要)」を公表し、あらかじめ利益相反のおそれのある取引を特定・類型化の上、適切に管理しています。

また、営業部門から独立したコンプライアンス統括部が、利益相反管理統括部署として、グループ全体の利益相反管理の有効性を定期的に検証し、その結果を取締役会等に定期的に報告することで、継続的に必要な改善・指導が実施される態勢を整備しています。

利益相反管理態勢

さらに、利益相反管理態勢の実効性向上を図るため、取締役会の諮問機関として外部メンバーを中心とした利益相反管理委員会を設置し、当グループの利益相反管理態勢の妥当性の検証を受けています。なお、同委員会の議事概要は継続的に公表しています。

また、スチュワードシップ(SS)活動における利益相反管理体制に関しては、利益相反管理委員会にグループの資産運用会社の外部委員会の委員を構成員とするSS部会を設置し、グループ全体のSS活動に関する情報連携、監督機能の強化を図っています。

スチュワードシップ活動における利益相反管理体制について

スチュワードシップ活動における利益相反管理体制について

利益相反管理委員会の議事概要

当グループでは、グループ全体の利益相反管理態勢の妥当性等の検証、フィデューシャリー・デューティーの取組状況の監督などを目的として、取締役会の諮問機関として外部有識者等が過半を占める「利益相反管理委員会」(任意の委員会)を設置しております(2017年6月)。

同委員会は、(1)指名委員会等の法定の3委員会、銀行グループ全般のリスクガバナンス体制の構築や高度化を担う「リスク委員会」(任意の委員会)に加え設置したもので、専業信託銀行グループとして、他の金融グループに例のない監督機能を有する委員会であること、(2)法令等で求められる利益相反管理態勢に留まらず、お客さまに安心、信頼いただける「ベストパートナー」として、ベストプラクティスとしての利益相反管理態勢、フィデューシャリー・デューティーの取組状況等を審議対象としていることといった特色を有しております。

このような特色を反映し、以下議事概要のように幅広いテーマ・内容に関し、審議しております。当グループの利益相反管理態勢の向上等に資するべく、同委員会の議事概要は継続的に公表してまいります。

利益相反管理委員会議事概要

(3)お客さまの「ベストパートナー」を目指すための取組状況と成果指標(KPI)

当グループは、お客さまの「ベストパートナー」を目指す取り組みの状況をご確認いただくための指標を、定期的に公表するとともに、活動の推進・拡充などに合わせ随時見直しています。

お客さまへの金融経済教育やリテラシー向上につながる取り組み

各種セミナー回数

三井住友信託銀行における個人のお客さま向けの各種セミナーの開催回数

お客さまのお役に立つ専門的な情報を分かりやすくご提供させていただく機会として、「資産運用セミナー」「相続対策セミナー」など、セミナーの開催に取り組んでいます。

お客さまの多様なニーズに応える幅広い商品・サービスのご提供

総合的ご提案による投資信託・投資一任運用商品・保険の残高の伸長

三井住友信託銀行ではお客さまの多様なニーズにお応えできるよう、投資信託、投資一任運用商品、保険商品と、質の高い商品・サービスを幅広く取り揃えており、多くのお客さまに選ばれています。

お客さまの運用におけるリターンの向上

実益損益を含む、投資信託の運用損益別お客さま比率

運用損益は市場の動向によっても変動しますが、実現損益を含むお客さまのリターン向上に取り組んでいます。このために、三井住友信託銀行は運用商品のご提案において、ライフイベントを踏まえたお客さまのご意向や市場環境の変化に応じてきめ細かくフォローアップする取り組みを重要な活動として位置付けて、お客さまとの継続的な対話に努めています。2020年3月末の運用損益別お客さま比率は、新型コロナウイルス感染症によって発生した「コロナショック相場」の株価下落の影響を受け低下しましたが、その後の相場回復に伴い運用状況は改善し、2020年5月末の運用損益がプラスとなっているお客さまの比率は、投資信託で57%に上昇しています。

資産運用の高度化

コーポレートアクションのあった企業数と件数

三井住友トラスト・アセットマネジメントは、責任ある機関投資家として、中長期的な企業価値向上を目的としたエンゲージメント活動(投資先企業の企業価値向上や持続的成長を促すために行う、投資先企業との「目的を持った対話」)や議決権行使等のスチュワードシップ活動を行い、活動を通じてお客さまの中長期的な投資リターンの拡大を図っています。三井住友トラスト・アセットマネジメントのエンゲージメント活動が受け入れられたことを示すコーポレートアクションの件数も増加しており、累積で297件となっています。

R&I顧客本位の投資販売会社評価

三井住友信託銀行は「R&I顧客本位の投信販売会社評価」で「S+」評価を取得

本評価は、銀行、証券会社などが、いかに投資信託の販売において「顧客本位の業務運営」を行っているか、その取組方針や取組状況を、R&Iが中立的な第三者の立場から評価したものです。三井住友トラスト・グループでは、引き続き、お客さま本位の取り組みを実践し、浸透・定着させていくことで、お客さまから信頼され、末永くお取り引きいただける、お客さまの「ベストパートナー」を目指していきます。

投信FD R&I

「R&I顧客本位の投信販売会社評価」(以下、「本評価」)は、投信販売業務を行う販売会社の「顧客本位の業務運営」の取組みに関するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。R&Iが本評価を行うに際して用いた情報は、R&Iがその裁量により信頼できると判断したものではあるものの、R&Iは、これらの情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。また、その正確性及び完全性につきR&I等が保証するものではなく、特定商品の購入、売却、保有を推奨、または将来のパフォーマンスを保証するものではありません。本評価に関する著作権等の知的財産権その他一切の権利はR&Iに帰属しており、無断複製・転載などを禁じます。

顧客保護等管理に関する取り組み

(1)基本的な取り組み方針

当グループは、顧客保護等を経営上の最重要課題の一つと位置付け、グループ各社の業務特性に応じた適切な顧客保護等管理態勢を整備するため、「顧客保護等管理規程」において当グループの顧客保護および利便性の向上に向けた基本方針を定めています。グループ各社においては、当該基本方針に基づき、顧客保護等管理の統括部および機能に応じた管理部署を定めています。統括部署は、社内規程類の整備、定期的な取締役会等への報告など、顧客保護等管理全般を統括します。管理部署は各機能に関する態勢整備を行うほか、関係各部への指導、研修の充実などを通じ、各機能の適切性および十分性の確保を図っています。

顧客保護等管理体制

(2)顧客説明管理

当グループでは、金融商品・サービスのご提供にあたり、お客さまの理解と納得が得られるよう適切かつ十分な説明、分かりやすい情報提供を行っています。具体的には金融商品・サービスのご提供に関する「勧誘方針」や「三井住友トラスト・グループのフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」に基づき、適合性の原則の徹底やお客さまへの適切な情報提供等を定めた顧客説明マニュアルの整備や研修の充実などの態勢を整備しています。

特に投資信託や生命保険などのリスク性のある金融商品取引については、お客さまの理解が得られる説明が適切に行われているかなどのモニタリングを行っており、必要に応じて勧誘ルールの見直しを行うなど、お客さまの立場に立った適正な金融商品の勧誘・販売を徹底するための取り組みを行っています。

お客さまの知識、経験、財産の状況および取引を行う目的に照らして、不適当な勧誘を行ってはならないという規則

(3)顧客情報管理

当グループでは、お客さまの個人情報の保護に万全を期するための取組方針として「個人情報保護宣言」を定め、お客さまの情報を適切に管理する態勢を構築しています。当グループ内でお客さまの情報を共同利用する場合には、個人情報保護に関する法律、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン、その他関連法令などに従い適切に対応しています。

また、当グループでは、職務上知り得た個人データを含む重要情報について守秘義務を負うことを全社員が明確に認識するよう、守秘義務に関する確約書の提出を全社員から受けています。

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