三井住友信託銀行は、プロジェクトファイナンス等の融資にあたり、プロジェクト実施者に対して自然環境や地域社会に及ぼす影響に十分配慮することを求める民間金融機関の国際的ガイドラインである「赤道原則」に署名しています。

環境・社会配慮評価の体制とプロセス
適用プロセス

環境・社会配慮の評価手順を定めた社内運営ルールに従い、赤道原則所管部署が個別のプロジェクトに関する環境・社会影響の評価を実施しています。

環境・社会影響レビューの実施

プロジェクトの所在国や業種に応じて、事業者によるプロジェクトの環境・社会に配慮する対応が、赤道原則が求める水準を満たしているか否かをレビューした上で、総合的なリスク判断をします。

モニタリング

重要な項目を遵守する旨を融資契約書に反映させており、それらの重要項目の遵守状況を報告書などによって定期的に確認しています。

社内研修

営業、評価、審査等に携わる関係部門を対象に定期的な研修を実施し、社内運営の理解や環境・社会配慮の意識向上に努めています。

赤道原則

赤道原則とは、民間金融機関が大規模なプロジェクトに融資を実施する際に、そのプロジェクトが自然環境や地域社会に与える影響に十分配慮されていることを確認するための基準です。具体的には、プロジェクトファイナンスと特定プロジェクト向けのコーポレートファイナンス、および将来的にこれらに借り換えられる予定のつなぎ融資が対象となっており、プロジェクトの所在国や業種を問わず適用されます。赤道原則は、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が制定する環境社会配慮に関する基準・ガイドラインに基づいており、この基準・ガイドラインは、環境社会影響評価の実施プロセスや、公害防止、地域コミュニティへの配慮、自然環境への配慮など多岐にわたります。

2019年11月の赤道原則協会総会で赤道原則の第四次改訂が採択されました。先進国における先住民族に対する配慮の強化、リファイナンスなどへの適用対象取引の一部拡大のほか、相当程度以上の影響が考えられる場合に物理的リスク分析を実施すること、年間温室効果ガス排出量が10万t-CO2超のプロジェクトの場合に、代替案の検討に加えTCFDにおける移行リスク分析を実施することがデュー・デリジェンス項目に追加され、気候変動への取り組みが強化されました。

赤道原則には2020年12月現在、世界111行(輸出信用機関を含む)が署名しています。署名金融機関は赤道原則に基づいた対策等をプロジェクト実施者に求め、特に発展途上国における大規模案件においては十分な配慮を要する場合が多く、赤道原則において求められる水準を満たさない場合は融資を見送ることもあります。

赤道原則が適用される金融商品の種類と規模等の要件

種類 規模等の適用要件
プロジェクトファイナンス プロジェクト総額が10百万米ドル相当以上の全ての案件
FA業務※1 同上
プロジェクト紐付きコーポレートローン※2
PRCL:Project-Related Corporate Loans

以下、4条件を全て満たす場合

  • 1.
    借入額の過半が、借り手が当該プロジェクトの実質的な支配権を(直接的にまたは間接的に)有する単一のプロジェクト関連向けである
  • 2.
    総借入額100百万米ドル相当以上
  • 3.
    個別採択銀行のコミット額(シンジケーション組成もしくはセルダウン前)が50百万米ドル相当以上
  • 4.
    貸出期間が2年以上
ブリッジローン 貸出期間2年未満で、上記条件を満たすプロジェクトファイナンス、もしくはPRCLによってリファイナンスされることを意図したもの
  • ※1プロジェクトファイナンス・アドバイザリー・サービス
  • ※2バイヤーズクレジット型の輸出金融は含み、サプライヤーズクレジット型の輸出金融は含みません。さらに、アセットファイナンス、買収ファイナンス、ヘッジ取引、リース、信用状取引、一般資金、会社の操業維持を目的とした一般運転資金も除かれます。

環境・社会影響レビューの実施

プロジェクトファイナンスの検討のプロセスにおいて、赤道原則の適用対象となる案件について、事業者によるプロジェクトの環境・社会に配慮する対応が、赤道原則が求める水準を満たしているか否かを確認する環境・社会影響レビューを実施します。
環境・社会影響レビューにおいては、対象プロジェクトはスクリーニングフォームに基づき環境・社会リスクに応じて以下のA、B、Cの三つのカテゴリーに分類されます。カテゴリーとプロジェクトの所在国(指定国※、非指定国)や業種に応じた環境影響評価書等を基に詳細なレビューを実施します。環境・社会影響レビューの結果は審査部署へ送付され、審査部署は当該レビュー結果も踏まえた上で、総合的なリスク判断を行います。

指定国とは、市民と自然環境を守るために構築された強固な環境・社会に関するガバナンス、法体系、組織を有すると考えられる国のことです。具体的には、赤道原則協会のホームページに掲載されています。
https://equator-principles.com/designated-countries/新規ウィンドウで開く

社内研修体制

赤道原則の概念および環境・社会影響レビューの実施フローに対する理解を醸成するため、営業担当部門、評価部門、審査部門、その他関連部署を主な対象として複数回にわたり社内研修を実施しました。今後も定期的な社内研修の実施を通じて、赤道原則の理念と環境・社会影響評価のプロセスに対する理解を深め、社員の環境・社会配慮に対する意識の向上に一層努めていきます。

赤道原則遵守状況のモニタリング

環境・社会関連法規制、許認可に関する重要項目を遵守する旨を融資契約書に反映し、借入人から提出される定期報告書等により、赤道原則適用案件が環境・社会関連の諸規則を遵守して行われているか定期的に確認しています。

赤道原則の適用件数

2019年度に赤道原則を適用した案件は26件です。マークのある実績については、PwCサステナビリティ合同会社による第三者保証を取得しています。

プロジェクトファイナンス案件
プロジェクト紐付きコーポレートローン案件
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