インパクトとは、企業の製品・サービスあるいは活動が短期・中期・長期に渡って社会・環境・経済に及ぼす影響であると弊社では定義しています。インパクトの特徴としては、方向(ポジティブあるいはネガティブ)と大きさ(変化量)を持つことが挙げられます。

インパクト評価は、企業あるいは組織の活動、製品又はサービスから生じた「短期、長期を含めた社会・環境的な変化」を定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えることになります。インパクト評価の基本的な考え方は、事業が実施された、あるいは新しい製品・サービスが市場に提供された状況と、事業や製品・サービスが実施されなかった、あるいは提供されなかった状況を比較し、その変化量がインパクトとなります。

インパクト思考

インパクト思考とは、下図が示すように、自分の行動あるいは企業・組織の活動が及ぼす影響の先、そしてその先をロジカルに考えることです。弊社では四角枠の定義に基づいて、企業活動によって生まれる複数の中⾧期的な社会的・環境的な変化(インパクト)、ステークホルダーに対する成果(アウトカム)、アウトプットをロジカルにつなげてインパクト・パスウェイ(ロジックモデル)を作成し、インパクト評価を行っています。

アウトプット・アウトカム・インパクトの定義

アウトプット

企業の製品・サービスあるいは活動の結果

アウトカム

企業の製品・サービスあるいは活動がステークホルダーに直接及ぼす影響

インパクト

企業の製品・サービスあるいは活動が短期・中期・長期に渡って社会・環境・経済に及ぼす影響。方向(ポジティブあるいはネガティブ)と大きさ(変化量)を持つ。

インパクト・パスウェイ(ロジックモデル)

インパクト評価を行うことの意義:企業価値の向上

1.学習・改善

インパクトを評価することが目的ではなく、その評価やKPIのモニタリングの結果を企業がポジティブ・インパクトの向上あるいはネガティブ・インパクトの抑制に向けた現状との”変化を最大化”させるための判断材料に用いることが重要です。企業の皆様がインパクト評価を、PDCAのサイクルの中に正しく位置づけることによって、事業の改善、インパクトの最大化にインパクト評価を活かしていく支援を金融機関として提供しております。

2.説明責任

企業がインパクトに係るアクションプランと結果を公に開示することは、ステークホルダーに対する説明責任を果たすだけでなく、企業が生み出す環境・社会的価値をPRすることに繋がり、結果として企業価値の向上に繋がると考えています。なお、国際連合開発計画(UNDP)による包摂的な開発のためのイニシアチブであるビジネス行動要請(Business Call to Action:BCtA)とサステナビリティ・レポーティングのガイドラインを発行するGRI(Global Reporting Initiative)が協働で出したレポート「Measuring Impact: How Business Accelerates the Sustainable Development Goals」において、非財務情報開示(サステナビリティ報告)とインパクト評価を次の通り整理しています。つまり、自社の活動や製品・サービスをSDGsに関連付けるのであればインパクト評価が必要とUNDPとGRIは主張しています。

インパクト評価

社会・経済・環境の目標に対する進捗を示し伝えること

サステナビリティ報告

透明性を高め適切に説明すること

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