2021年3月

ポジティブ・インパクト評価(要約)

古河電気工業(以下「古河電工」)はSDGsの達成年である2030年に同社グループが目指す姿からバックキャスティングし、その社会実現のために自ら価値提供できる企業グループ、自ら積極的に変革する企業グループとなることを目指して、その時間軸と事業領域を明確化したものとして「古河電工グループビジョン2030」を策定し、サステナビリティ経営を推進している(図表①)。環境分野に対しては、さらに超長期を見据えた「古河電工グループ環境ビジョン2050」を策定し、取組みを強化している。

古河電工グループは、委員長を社長、副委員長を総務・CSR本部長、委員を経営層で構成した「CSR・リスクマネジメント委員会」を設置し、同社グループのリスク管理、内部統制、コンプライアンス、社会貢献などを含むCSR活動を監督・推進する体制をとっている。同社の総務・CSR本部の中に設置したCSR推進部や、サステナビリティ推進室が主体となって、各種委員会やコーポレート各部とも連携して、CSRの推進を図っている(図表②)。(組織名等は2020年度時点の名称で記載)

また、株主・投資家にとっての重要度とビジョン2030達成にとっての重要度の2軸において重要度を判定し、収益機会のマテリアリティとE・S・G各々のリスクのマテリアリティを特定。それぞれをSGDsと関連付け、マテリアリティに取り組むことによってSDGsの達成にも貢献していくとしている(図表③)。

本評価では、古河電工の事業活動全体に対する包括的な分析を行い、「1.脱炭素社会への貢献」、「2.社会課題解決型事業の創出」、「3.地球環境の保全」、「4.社会・環境に配慮した調達」の4項目のインパクトを特定し、各インパクトについて目標及び指標(KPI)を設定した(図表④)。

図表①:古河電工グループビジョン2030

古河電工グループは「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。

図表②:CSR推進体制

(出所:古河電工グループサステナビリティブック2020)

図表③:経営上の重要課題と関連性の強いSDGs

(出所:古河電工グループ統合報告書2020)

マテリアリティと各SDGs目標は、複数のSDGsターゲットで関連づけられます。

図表④:ポジティブ・インパクト・ファイナンスで設定した目標と指標(KPI)

テーマ 内容 目標と指標(KPI) SDGs※1
脱炭素社会への貢献 気候変動に配慮したビジネス活動の展開
  • ア.
    目標※2

    事業活動における温室効果ガス排出量を2030年度に2017年度比26%以上削減

    KPI

    温室効果ガス排出量(Scope1~2)

  • イ.
    目標

    再生可能エネルギー比率を2025年度に2017年度比3%向上

    KPI

    再生可能エネルギー比率

7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
13 気候変動に具体的な対策を
社会課題解決型事業の創出 環境配慮事業の創出を通じた持続可能な社会の実現への貢献
目標

環境調和製品の売上高比率向上

KPI

環境調和製品の売上高比率

7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
地球環境の保全 水資源の保全、廃棄物の削減・再利用
  • ア.
    目標

    水使用量原単位を2025年度までに2020年度対比5%低減

    KPI

    水使用量原単位

  • イ.
    目標

    廃棄物等総発生量原単位を2025年度までに国内で2020年度対比5%低減

    KPI

    廃棄物等総発生量原単位

6 安全な水とトイレを世界中に
12 つくる責任 つかう責任
社会・環境に配慮した調達 サプライチェーンマネジメント
  • ア.
    目標

    パートナー評価の実施率向上

    KPI

    パートナー評価の実施率

  • イ.
    目標

    パートナーズミーティングの定期開催

    KPI

    パートナーズミーティングの開催状況

  • ウ.
    目標

    調達物流によるCO2削減パートナーの拡充

    KPI

    調達物流におけるCO2削減パートナー数

13 気候変動に具体的な対策を
16 平和と公正をすべての人に
  • ※1各テーマに関連するSDGsについては、三井住友信託銀行が特定したもの。
  • ※2「古河電工グループ環境ビジョン2050」(2021年3月4日発表)では、2050年においてScope1~2における温室効果ガスの排出量をゼロとすることをチャレンジ目標としている。

上記KPIのモニタリング状況

開示資料

インパクト項目 目標と指標(KPI) 2020年度実績 2021年度実績 2022年度実績 2023年度実績
1
脱炭素社会への貢献
  • ア.
    事業活動における温室効果ガス排出量を2030年度に2021年度比42%以上削減

2023年度のモニタリングにて、「事業活動における温室効果ガス排出量を2030年度に2017年度比26%以上削減」から上記内容に見直しております。

2017年度比28.3%削減

2017年度比29.0%削減

2017年度比36.8%削減

  • イ.
    電力消費量に占める再生可能エネルギー比率を2025年度に30%

2023年度のモニタリングにて、「再生可能エネルギー比率を2025年度に2017年度比3%向上」から上記内容に見直しております。

2017年度比2.3%向上

2017年度比2.9%向上

2017年度比12.3%向上

2
社会課題解決型事業の創出

環境調和製品の売上高比率向上

58.2%(2019年度比2.0%増加)

61.9%(2020年度比3.7%増加)

65.0%(2021年度比3.1%増加)

3
地球環境の保全
  • ア.
    事業活動における温室効果ガス排出量を2030年度に2017年度比26%以上削減

2019年度比31.3%低減

2020年度比9.7%減

2020年度比23.4%減

  • イ.
    廃棄物等総発生量原単位を2025年度までに国内で2020年度対比5%低減

2019年度比4.6%低減

2020年度比2.8%減

2020年度比4.8%減

4
社会・環境に配慮した調達
  • ア.
    パートナー評価の実施率向上

主要パートナー198社を対象に評価を実施

主要パートナー248社を対象に評価を実施

重要度を考慮し260社のパートナーに対象拡大し、結果についてフィードバックを実施

  • イ.
    パートナーズミーティングの定期開催

パートナーズミーティングは感染予防のため中止し、パートナー各社との個別面談にて評価結果フィードバック及び会社概要、調達方針の説明を実施

パートナーズミーティングは感染予防のためオンラインにて開催し、会社概要、調達方針を説明。一部のパートナーに温室効果ガス排出量実態調査を開始。

パートナーズミーティングはオンライン・対面のハイブリッド形式で実施(パートナー58社が参加)し、評価結果に応じ「優秀パートナー賞」等表彰を実施。一部のパートナーには温室効果ガス排出量実態調査を継続。

  • ウ.
    調達物流によるCO2削減パートナーの拡充

25社(2019年度比1社増加)

25社(2020年度比増減無し)

25社(2021年度比増減無し)

プレスリリース

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