ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(住友ゴム工業株式会社)
2022年8月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
住友ゴムグループは、2020年12月に企業理念体系「Our Philosophy」を制定し、Purpose「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる。」を企業活動におけるすべての行動の起点とした経営を行っている。Purposeを体現するため2021年8月に策定したサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」は、社会と住友ゴムグループが持続的成長を遂げていくための2050年を見越した長期視点での方針である(図表①)。
同社グループは、サステナビリティ推進本部が中心となり、代表取締役副社長を委員長とした「サステナビリティ推進委員会」を年2回開催し、気候変動問題を含む環境、D&Iの推進状況、および国内外各部門のサステナビリティに関する取り組みの進捗のフォローと社内における情報共有を実施しているほか、長期方針目標に対する進捗についても課題や対応を確認している(図表②)。
また、サステナビリティ活動を活性化させ、社会から信用される企業グループとなるたため、2008年度にサステナビリティ活動ガイドライン「GENKI」を策定。2022年度には、同社グループのESG経営をより進化させるべく一部見直しを行い、現在は「Governance(ガバナンス)」「Ecology(事業活動の環境負荷低減)」「Next(次世代型技術・製品の開発)」「Kindness(一人ひとりが輝ける寛容な風土)」「Integrity(社会への誠実さ)」の5つの枠組みで構成されており、、特定した重要課題を当該ガイドラインに落とし込み、各項目で活動を推進している(図表③)。
本評価においては、住友ゴムグループの事業活動全体に対する包括的分析が行われ、「事業活動の環境負荷低減」・「次世代型技術・製品の開発」・「一人ひとりが輝ける寛容な風土」・「社会への誠実さ」の4項目のインパクトを特定し、それぞれのインパクトについて目標と指標(KPI)を設定した(図表④)。
図表①:サステナビリティ長期方針

図表②:サステナビリティ推進体制

図表③:サステナビリティ活動ガイドラインと重要課題

図表④:ポジティブ・インパクト・ファイナンスで設定した目標と指標(KPI)
テーマ | 内容 | 目標と指標(KPI) | SDGs |
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事業活動の環境負荷低減 |
環境配慮型商品の開発と環境方針に基づいたグローバル環境経営の推進
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次世代型技術・製品の開発 |
新しいモビリティがタイヤに求める価値の創出に向けた研究・製品開発
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一人ひとりが輝ける寛容な風土 |
多様な人材が互いに尊重し合い、いきいきと働ける風土を醸成する人事制度・施策の推進
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社会への誠実さ |
住友ゴムグループ「持続可能な天然ゴム方針」に沿ったステークホルダーとの連携による取組推進
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上記KPIのモニタリング状況
目標と指標(KPI) | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2025年度実績 | ||
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1 | 事業活動の環境負荷低減 | 低炭素社会の構築
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循環型社会の形成
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持続可能な原材料調達
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2 | 次世代型技術・製品の開発 | 新しいモビリティがタイヤに求める価値の創出に向けた研究・製品開発
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3 | 一人ひとりが輝ける寛容な風土 | 多様な人材が互いに尊重し合い、いきいきと働ける風土を醸成する人事制度・施策の推進
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4 | 社会への誠実さ | 住友ゴムグループ「持続可能な天然ゴム方針」に沿ったステークホルダーとの連携による取組推進
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