我が国においては、高齢者の数が急速に増加しており、人口の1/4以上を65歳以上の高齢者が占めています。今後も増加は続き、高齢者の中でもより年齢の高い層の人口が急増することが推計されています。特に都市部においては、この傾向がより顕著となることと予測されています。

これに伴って、心身の状況の衰えにより、介護を要する方の数が急増するため、現在でも不足している良質な介護施設がより逼迫するものと考えられます。

一方で、元気なうちから安心安全な高齢者住宅への移り住みを選択するというニーズも次第に高まっています。

三井住友信託銀行では、高齢者住宅や介護施設に係る市場動向、事業性に係るノウハウの蓄積を図っています。そしてこれを生かして、上記のようなニーズに対応するために、さまざまな形で施設・住宅の整備の推進をサポートしています。

(1)ノウハウの集積

三井住友信託銀行では、以下のようなツールを作成し、社内で運用しています。

また、運営事業者や建築会社、不動産会社など高齢者住宅・介護施設整備に関連する多くの事業者との積極的な情報交換を行っています。

これによって、こうした事業に係る市場動向や事業性などについて、専門的なノウハウの蓄積を図っています。

地域情報データベース

自治体ごとの人口、世帯等のデモグラフィックデータを集積したデータベース

シニアハウジングデータベース

全国の高齢者住宅・介護施設ならびにその運営主体の個別情報を集積したデータベース

市場分析ツール

上記を活用した市場分析ツール。特定地点における需要動向の把握が可能

運営収支プログラム

高齢者住宅・介護施設運営に係る事業類型別の運営収支を試算するプログラム

(2)高齢者住宅・介護施設整備に係るサポート

土地有効活用

土地活用を検討中のお客さま(個人・法人)に対し、ご提案の一環として、運営事業者や建築会社などと連携しながら、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホームなどの建築に係るさまざまなアドバイスや、資金計画のご提案を行っています。

補助金の活用や、生産緑地の指定を受けた土地における施設整備など、専門的なご提案も行っています。

事業性ローンの実行

三井住友信託銀行では、高齢者住宅・介護施設の建築に係る事業性ローン(アパートローン)の実行を推進しています。これまでの実績は36件です(2020年11月現在)。近年は相談件数が増加しつつあります。

前記の土地有効活用提案とも連動しつつ、取り組みを進めます。

ヘルスケアREITへのファイナンス

三井住友信託銀行は、高齢者向けの住まいや医療モールなどのヘルスケア施設に対する長期安定的な資金の出し手となるヘルスケアREIT(不動産投資信託)へのファイナンスを積極的に行っています。ヘルスケアREITは調達資金をヘルスケア施設の物件取得費や関連諸費用に活用します。これまで、3件のヘルスケアREITにローンを提供しており、それらに含まれる施設数は114棟になりました(2020年11月現在)。

ヘルスケア施設の証券化業務

三井住友信託銀行は、ヘルスケアREITや私募ファンドに係る証券化業務に積極的に取り組んでおり、2020年11月現在、合計110物件、資産規模およそ2,400億円の資産を受託しています。REITや私募ファンドに係る証券化業務においては、不動産管理処分信託の仕組みを活用していますが、これは、委託者(不動産の所有者)が受託者(信託銀行)に不動産の所有権を移転した上で、受託者が受益者の指図に基づいて対象不動産の管理・運用・処分を行い、発生した収益(主に賃料収入から経費を控除したもの)を受益者に配当する業務です。

さらに、三井住友信託銀行は証券化ビジネスに加えREITの資産保管や一般事務も受託しており、2014年12月に設立されたヘルスケア&メディカル投資法人(三井住友信託銀行受託)では、お客さまと連携して、さまざまなサポート業務を行っています。

超高齢社会

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